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更新日:2026年2月5日

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民法等の一部改正(父母の離婚後の子の養育に関する見直し)について~離婚後もこどもの利益を確保するために~

父母が離婚後も適切な形でこどもの養育に関わりその責任を果たすことは、こどもの利益を確保するために重要です。

令和6年5月に成立した民法等改正法は、父母が離婚した後もこどもの利益を確保することを目的として、こどもを養育する親の責務を明確化するとともに、親権、養育費、親子交流などに関するルールを見直しています。
この法律は令和8年4月1日に施行されます。

法改正のポイント

  1. 親の責務に関するルールの明確化
  2. 親権に関するルールの見直し
  3. 養育費の支払確保に向けた見直し
  4. 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し
  5. 財産分与に関するルールの見直し
  6. 養子縁組に関するルールの見直し

1.親の責務に関するルールの明確化 

父母が、親権や婚姻関係の有無にかかわらず、こどもを養育する責務を負うことなどが明確化されています。

こどもの人格の尊重

父母は、こどもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。こどもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

こどもの扶養

父母は、親権や婚姻関係の有無に関係なく、こどもを「養う」責任があります。養う度合いは、こどもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

父母は、こどもの利益のためにお互いを尊重して協力し合うことが大切です。

次のようなことは、このルールに違反する場合があります。(注)
  • 父母の一方から他方への暴行、脅迫、暴言等の相手の心身に悪影響を及ぼす言動や誹謗中傷、濫訴(らんそ:みだりに訴訟を起こすこと)等
  • 別居親が、同居親による日常的な監護に、不当に干渉すること
  • 父母の一方が、特段の理由なく他方に無断でこどもを転居させること(暴力等や虐待から逃げることはルールに違反しません。)
  • 父母間で親子交流の取決めがされたにもかかわらず、その一方が特段の理由なく、その実施を拒むことなど

(注)父母の一方が父母相互の人格尊重・協力義務等に違反した場合には、親権者の指定又は変更の審判、親権喪失又は親権停止の審判等において、その違反の内容が考慮される可能性があります。

こどもの利益のための親権行使

親権者はこどもの世話やお金や物の管理などについて、こどもの利益のために責任を果たさなければなりません。

2.親権に関するルールの見直し 

父母の離婚後の親権に対する選択肢が広がります。
離婚後に父母2人ともが親権を持つ《共同親権》、1人だけが親権を持つ《単独親権》の選択ができるようになります。

親権者の定め方

協議離婚の場合

父母が、その協議により、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

父母の協議が調わない場合や裁判離婚の場合

家庭裁判所が、父母とこどもとの関係や、父と母との関係などの様々な事情を考慮した上で、こどもの利益の観点から、親権者を父母双方とするか、その一方とするかを定めます。

次のような場合には、家庭裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。

  • 虐待の恐れがあると認められるとき
  • DVのおそれその他の事情により父母が共同して親権を行うことが困難であると認められたとき
    ・殴る・蹴る等の身体的な暴力を伴う虐待・DVに限定されません。
    ・また、これらの場合以外にも、共同親権と定めることでこどもの利益を害すると認められるときは、裁判所は必ず単独親権の定めをすることとされています。

親権者の変更

離婚後の親権者については、こどもの利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所が、こども自身やその親族の請求により、親権者の変更(父母の一方から他の一方/一方から双方/双方から一方)をすることが出来ます。離婚前の父母間に一方からの暴力等があり、対等な立場での合意形成が困難であったといったケースでは、こどもにとって不利益となるおそれがあるため、この手続によって親権者の定めを是正することができます。

父母2人ともが親権を持つ《共同親権》の場合

父母双方が親権者である場合の親権の行使方法のルールが明確化されています。
親権は、父母が共同して行います。ただし、父母の一方が親権を行うことができないときは、他方が行います。

日常のことは一方の親で決められる
  • 毎日の生活に必要なこと例えば食事や着る服を決めること
  • 短い旅行、予防接種や習い事など
大切なことは父母2人で話し合う
  • こどもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること
  • 心と体の健康に大きな影響を与える治療やこどものお金の管理など

【父母の意見が対立するときには・・】

家庭裁判所で,父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることができます。

一方の親が決められる緊急のケース
  • DV等や虐待から逃れるために転居する必要がある場合
  • 病気やけがで緊急の治療が必要な場合など

3.養育費の支払い確保に向けた見直し 

養育費を確実に受け取ることができるようにルールが見直されました。

養育費取決めの合意の実効性が向上

養育費債権に「先取特権」と呼ばれる優先権が付与され、債務名義がなくても文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。
(施行後に発生するものが対象です。)

法定養育費の請求

離婚時に養育費の取決めがなくても、取り決めるまでの間、こどもと暮らす親が他方の親へ、こども一人あたり月額2万円の養育費を請求できる制度です。
養育費が決まるまでの暫定的,補充的なものであり、父母の協議や家庭裁判所の手続きにより、各自の収入などを踏まえた適正な額の養育費の取決めをしていただくことが重要です。離婚後もこどもの生活が守られるよう設けられました。

裁判手続きの利便性の向上

家庭裁判所は養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために、当事者に対し、収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえという一連の手続きを申請することができるようになります。

4.安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し 

親子交流の試行や父母以外の親族との交流に関するルール等が見直されました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的に行うことができます。

婚姻中別居の場合の親子交流の明確化

父母が婚姻中にこどもと別居している場合の親子交流は、こどもの利益を最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、成立しない場合には家庭裁判所の審判等で決めることがルールとなります。

父母以外の親族とこどもの交流

こどもの利益のため特に必要があるときは、家庭裁判所は、父母以外の親族とこどもとの交流を実施するよう定めることができます。

5.財産分与に関するルールの見直し 

財産分与の請求期間

財産分与の請求期間が離婚後2年から5年に伸長されています。

財産分与の考慮要素

財産分与において、婚姻中に取得又は維持した財産の額、婚姻期間等を考慮すべき要素が明確化されています。

裁判手続の利便性の向上

財産分与に関する裁判手続では、手続をスムーズに進めるために、家庭裁判所が、当事者に対して財産情報の開示を命じることができます。

6.養子縁組に関するルールの見直し 

養子縁組後の親権者

養子縁組がされた後に、誰が親権者になるかが明確化されています。

養子縁組についての父母の意見対立を調整

養子縁組についての父母の意見対立を調整する裁判手続が新設されています。

関連情報

詳細は下記をご確認ください。

《法務省》

父母の離婚後の子の養育に関するルールが改正されました(法務省)(外部リンク)

こどもの養育に関する合意書作成の手引きとQ&A(外部リンク)

《こども家庭庁》

「こどもの未来のための新しいルールー親権・養育費・親子交流などに関する民法改正のポイント」(外部リンク)

ひとり親のためのポータルサイト(外部リンク)

 

文京区関連情報

区作成の下記の冊子では、離婚時のお子さんのメンタルケア、養育費等決めるべきこと、養育プラン作成の方法、各種相談先等をご案内しています。

離婚後の子どもの養育についてのガイドブック(PDF:11,737KB)

 

離婚前後の家庭に対して、養育費や親子交流等の取り決めについて、弁護士による法律相談も実施しています。今回の法改正に関する内容についてもご相談できますので、ご利用ください。

子どもの最善の利益を守る法律専門相談(対面相談)

子どもものための離婚前後の法律専門相談(オンライン相談)

 

 

 

 

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